フリーランスの家計管理、市販のテンプレでは足りなかった話|自分専用の支出管理表を作るまで

お金・節約

前回の記事で、家計簿アプリのマネーフォワードMEを使った家計管理について書きました。

ただ、家計簿アプリで毎月の収支をつけるだけでは、家計はよくなりません。「今月いくら使ったか」が見えるようになっても、それを次にどう活かすかが大事です。

具体的には、ライフプランを立てて、収支を改善していく。ここまでやって、初めて「家計が良くなっている」と実感できるようになります。

今日はそのライフプランを立てるための、自作の支出管理表の話です。

会社員をやめてCADフリーランスになって、収入そのものよりも不安だったのが「お金の見通しが立たない」ことでした。

毎月いくら使っているのか。来年の税金はいくら来るのか。子どもの学費はいつ、いくら必要なのか。老後の資金は足りるのか。会社員のときは給料天引きで勝手に処理されていたものを、全部自分で見なければいけません。

市販のライフプランシートや、無料配布のテンプレートも一通り試しました。どれもよくできているのですが、フリーランスで子育て中の自分の状況にはどうしても合わない部分があって、しっくりこない。そこで「だったら自分の不便を全部解消した管理表を作ってしまおう」と思い立ちました。

今日は、その自作の支出管理表でこだわった点を、なぜその機能が必要だったのかという理由とあわせて紹介します。記事の最後に、自分用に作ったこの管理表を無料で配布します。

市販のライフプランシートで足りなかった3つのこと

① 事業のお金と家計のお金がごちゃ混ぜになる

フリーランスの売上は、そのまま生活費ではありません。売上から経費を引いて、税金の分を取り分けて、残りを生活費として家計に入れる。

この「事業の財布」と「家計の財布」を分けて考えないと、儲かっている気がして使いすぎたり、逆に不安で使えなかったりします。一般的なライフプランシートはこの区別がありません。

② 来年の税金・国民健康保険が見えない

フリーランス1年目で多くの人がつまずくのがこれです。

所得税・住民税・国民健康保険は「今年の所得」に対して「来年」請求が来ます。収入が増えた翌年に重い請求が来て、お金を残しておかなかったために慌てる、という失敗をしないために、「来年いくら来そうか」を普段から見ておきたかった。

③ 毎月の家計と将来の資産を「同じ目線」で見られない

家計簿は「今月の収支」を見るもの、ライフプランは「数十年先」を見るもの。この2つが別々だと、「今の節約が将来にどうつながるか」が見えません。毎月の家計と、20年後・30年後の資産が一本でつながっていてほしかった。

自分の不便を全部解消した支出管理表

そこでAIの力も借りながら、上の不満を一つずつ潰した支出管理表を作りました。家計簿・事業・ライフプラン・学費・積立計算をひとつにまとめた、8枚のシートからなる管理表です。

ここからは、自分が不便だと感じて追加した機能を紹介します。

事業と家計を分ける「事業シート」

売上・経費・事業利益を入れると、「家計に入れた額」と「事業に残るお金」が自動で分かれます。

夫婦どちらも自営業のケースを想定して、事業の枠は2つ用意しました。世帯全体の事業利益も自動で集計されます。

「来年の税・国保」を毎月取り分ける目安

事業利益から控除を引いた「課税所得の目安」に対して、取り分けておくべき金額を自動計算します。

控除は青色申告特別控除・基礎控除・社会保険料控除に加えて、配偶者控除・扶養控除・ひとり親控除・生命保険料控除などを入れられるようにしました。確定申告をしている人なら、去年の申告書を見ながら入れればかなり実態に近づきます。

ここは特にこだわった部分で、「今払っている国民年金や国保」と「来年請求される税金の積立」を混同しないよう、はっきり分けて表示しています。

学費は「進路を選ぶだけ」

子どもの学費は、小・中・高を公立か私立か、大学を国公立か私立か、実家か一人暮らしかを選ぶだけで、その子の該当する年に自動で計上されます。学費インフレ率(初期値2%)も加味します。

作っている途中で気づいて直したのが、早生まれ(1〜3月生まれ)への対応と、大学無償化(多子世帯)への対応です。早生まれは入学年が1年ずれるので生まれ月を入れて学年で判定するようにし、無償化は「扶養している子が3人以上いる年だけ適用」という実際の条件に合わせて、年ごとに自動判定するようにしました。

「毎月いくら積み立てればいいか」を逆算

老後資金・教育資金など複数の目標を並べて入力すると、それぞれ毎月いくら積み立てれば届くかを複利で逆算します。

子どもの大学資金は学費シートの進路選択から自動で連動するので、進路を変えると必要な積立額がその場で変わります。

利回りは控えめに見るのが好みなので初期値は年5%、ただし使う時期が決まっている教育資金は3%程度に、という考え方もシートに組み込みました。

ライフプランは「投資を自動で取り崩す」

45年分の資産推移を見られるシートですが、最初に作ったときは教育費がかさむ年に現金残高がマイナス(赤字)になって、なんとなく嫌な気持ちになりました。

でもよく考えると、教育費が足りなければ投資を取り崩して払う、そのために積み立てたわけです。そこで「足りない年は投資から自動で取り崩して、現金はゼロで踏みとどまる」ように直しました。

赤字が出るのは投資も尽きて本当に資金が足りない年だけになり、見ていて納得感のあるシミュレーションになりました。

使ってみての感想

自分の実際の数字を入れてみると、毎月の家計、来年の税金の備え、子どもたちの大学資金、老後資金が全部一枚でつながって見えるようになりました。

「毎月この額を積み立てておけば、教育も老後も大丈夫」という見通しが立つだけで、お金の不安はかなり軽くなります。

完璧な税額計算ツールではありません。実際の税額は控除や状況で変わりますし、投資の利回りも保証されたものではありません。あくまで「ざっくり見通しを立てるための、自分専用の道具」です。それでも、市販のものでは届かなかったかゆいところに手が届く一枚になりました。

この支出管理表を無料で配布します

「自分用に作ったけど、同じように悩んでいる人の役に立つなら」と思い、この支出管理表を無料で配布することにしました。下のリンクからダウンロードできます。

▼ ダウンロードはこちら

シンプル支出管理表(Excel・v1.0)をダウンロード
※ Excel 2019以降 / Microsoft 365 推奨。スマホの場合はPCでの利用をおすすめします。

使い方の流れ

  1. 「設定」シートで開始月・目標貯蓄率・費目を自分用に整える(最初の1回だけ)
  2. 「入力」シートに毎月の費目ごとの合計を入れる(家計簿アプリの集計を写すだけ)
  3. 「事業」シートで売上・経費・控除を入れて、来年の税金の備えを確認する
  4. 「学費」「ライフプラン」「つみたて計算」で、将来の見通しと毎月の積立額を確認する

各シートに「使い方」も付けてあるので、見ながら進められます。

ご利用にあたって

ここは大事なので、しっかり読んでください。

  • Excel 2019以降、またはMicrosoft 365でお使いください(一部の関数が古いExcelでは動きません)
  • 税額・社会保険料の計算はあくまで概算の目安です。正確な金額は控除や状況によって変わるので、最終的な金額は確定申告書や自治体の通知などで確認してください
  • 投資の利回りは将来を保証するものではありません。年5%や3%といった数字は、過去のデータをもとにした一般的な参考値です。実際の運用結果は変動します
  • 教育資金の金額は平均値ベースの目安です。実際の学費は学校や進路によって大きく変わります
  • 結果に基づく投資判断・お金の使い方は、すべて自己責任でお願いします
  • 個人利用の範囲でご自由にどうぞ。再配布・販売はご遠慮ください

数字はあくまで「目安」として活用してください。微調整は自分の状況に合わせてやってもらう前提のツールです。

このツールは改善中です

正直にお伝えしておくと、このツールは私自身もまだ使いながら、不便なところを見つけては直している途中です。今後も改善点が出てきたら、その都度修正していくつもりです。

ファイル名の末尾にバージョン番号(例:v1.0、v1.1)をつけてあるので、更新があったときに最新版が分かるようにしてあります。気になる方は、ときどきこの記事を見に来てもらえれば、最新版にアクセスできます。

同じように悩んでいる方へ

フリーランスや自営業は、自由なぶん「お金のことは全部自分で見なきゃいけない」という重さがあります。

何も根拠なく投資や貯蓄をするより、目安でも見通しを立てられた方が、判断しやすいと私は感じています。この一枚が、同じように悩んでいる方の負担を少しでも軽くできたらうれしいです。

使ってみて「ここが分かりにくい」「こんな機能がほしい」があれば、ぜひコメントで教えてください。

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タケ|サブコン現場監督11年7ヶ月を経てCADオペレーターとして独立4年目。独立後にシングルファザーとなり、仕事と育児を両立中。固定費削減を実践しながらフリーランス生活を継続中。

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