前回の記事で「事業用の生活防衛資金があるから、収入20万円未満の月でも焦らない」と書きました。今日はその中身、つまり生活防衛資金とは何か、どうやって作るのかについて書きます。
「支出の6か月分を貯めよう」という話はよく聞きますが、実は全額を貯める必要はありません。生活が苦しい時には、支出も自然と減るからです。今日はその現実的な計算の仕方を紹介します。
まずは家計管理から
生活防衛資金を作るには、まず家計管理から始める必要があります。
毎月どれくらいの支出があるかを把握していなければ、いくら貯めればいいかも分からないからです。逆に言えば、家計管理ができてしまえば、生活防衛資金の計算は難しくありません。
家計管理の具体的な方法については、別記事で詳しく書いているので、まだの方はそちらも参考にしてみてください。
支出を一度書き出してみる
仮に、毎月の支出が次のような家庭があるとします。
- 家賃:6万円
- 食費:5万円
- 日用品:2万円
- 通信費:1万円
- 教育費:2万円
- 車両費:1万円
- 遊興費:5万円
- 税金・社会保険料:5万円
- 積立NISA:5万円
合計で月35万円。「じゃあ35万円×6か月=210万円を貯めないといけないのか」と思うかもしれません。
でも、そうではありません。
生活が苦しい時は支出も減る
ここがこの記事で一番伝えたいポイントです。
仕事を失ったり、収入が大幅に減ったりした時、人は自然と支出を絞ります。普段通りの暮らしを続けるわけではありません。なので、生活防衛資金の計算には「苦しい時に実際にかかるお金」を使うべきです。
先ほどの例で言うと、削れる項目はこうなります。
- 遊興費の5万円:生活に絶対必要なものではないので、まずカット
- 積立NISAの5万円:生活が苦しい状態で投資を続ける必要はないので、停止
- 食費・日用品から2万円:普段の外食を減らせば、これくらいは絞れる
これで12万円が削れます。残るのは35万円−12万円=23万円。
つまり、月23万円×6か月=138万円を生活防衛資金として確保すれば、もし収入がゼロになっても最低6か月は暮らしていけます。210万円ではなく138万円。差額の72万円は、貯めなくていいお金です。
6か月あれば、新たな仕事を探したり、副業を立ち上げたり、生活を立て直す動きが十分にとれます。
それでも足りない時の選択肢
138万円を取り崩しても状況が改善しない、そんな時はさらに踏み込んだ判断もできます。
- 引っ越しで家賃を下げる
- 車の使用を控える、あるいは手放す
ここまで来ると生活の形が変わりますが、選択肢として持っておくと心が楽になります。「最悪の場合はこうする」と決まっていると、不安に飲まれにくくなるからです。
税金や社会保険料はどうする?
ここで気になるのが、税金や社会保険料です。これは生活が苦しくても基本的にはかかってきます。なので、生活防衛資金の計算からは削れません。
ただし、本当に苦しい場合には、国民年金や国民健康保険には免除・猶予制度があります。所得が一定以下になれば、申請して認められれば負担を軽くできる仕組みです。
「払えなければ滞納するしかない」と思っている人もいますが、そうではなく、合法的に減らせる手段があるということだけ覚えておいてください。
生活防衛資金の置き場所
もうひとつ大事なのが、生活防衛資金をどこに置くかです。
結論から言うと、すぐ引き出せる普通預金に置いておくのが鉄則です。NISAなどの投資には絶対に回さないでください。
理由は単純で、いざ必要になった時に、投資商品は「今は損が出ているから売りたくない」というタイミングで売る羽目になる可能性があるからです。生活防衛資金の本質は「いつでも、損なく、すぐ使える」ことなので、増やすことを狙う場所ではありません。
増やすお金(NISAなど)と、守るお金(生活防衛資金)は、置き場所を完全に分けるのが正解です。
私の場合
私はフリーランスとして独立してから、家庭用と事業用の両方で生活防衛資金を確保しています。
事業用の口座にもある程度プールしているからこそ、前回の記事で書いた通り、収入20万円未満の月が来ても焦らずにいられます。「来月か再来月でならせばいい」と思える土台が、この生活防衛資金です。
これがなかったら、目先の不安に押されて、合わない条件の仕事を取ったり、無理に詰め込んで体を壊したりしていたかもしれません。生活防衛資金は、お金そのものというより「正しい判断ができる状態」を支えてくれるものだと感じています。
まとめ
最後にまとめます。
生活防衛資金は、支出の6か月分をそのまま貯める必要はありません。生活が苦しい時に削れる項目(遊興費・投資・外食など)を引いて、本当に必要な金額の6か月分を目安にすればOKです。
そして、貯めたお金はすぐ引き出せる普通預金に。投資には絶対に回さない。
最初は家計管理から。毎月の支出を把握するところから始めれば、生活防衛資金の目標額は自然と見えてきます。会社員でもフリーランスでも、この備えがあるだけで、人生の選択肢はぐっと広がります。
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タケ|サブコン現場監督11年7ヶ月を経てCADオペレーターとして独立4年目。独立後にシングルファザーとなり、仕事と育児を両立中。固定費削減を実践しながらフリーランス生活を継続中。

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